【経営】 “家族連れ”の平均単価は低いが、子どもをターゲットにすることでリピートを狙える

【飲食業】
日本政策金融公庫が2013年に調査した「外食に対する消費者意識と飲食店の経営実態調査」では、同伴者がいる場合の飲食店利用で1回あたりの平均単価が最も低いのが「家族連れの顧客」ということがわかりました。

家族連れの平均単価は2,004円で、最も平均単価が高い「恋人との利用(2,492円)」と比べると488円の差があります。

家族連れをターゲットにした飲食店の場合、売上を伸ばすにはリピーターを増やすのが効果的です。
今回は、あるものを使ってリピーターを増やしている焼肉店をご紹介します。

ガチャガチャで子ども心を惹きつける!

ある焼肉店では、キッズプレートを注文したお客様に、ガチャガチャが無料で楽しめるメダルを渡しています。

ガチャガチャの景品には、有名キャラクターの消しゴムやミニカー、ミニ独楽など、子どもに喜んでもらえるものを入れているとのことです。

また、10%の確率で大当たりが出るように調整し、人気のキャラクターのお面が当たるなど、ワクワクするシステムにしていることが子どもたちの心を惹きつけているといいます。

この焼肉店はガチャガチャ以外にも、風船を使ったバルーンアートもプレゼントしていて、子どもが楽しめるような店舗づくりをしています。

その成果もあって、休日の同店は家族連れで満席になってしまうそうです。

この焼肉店は子どもをターゲットにしてリピーターを増やしているのですが、ほかにも財布のひもを握っている奥様をターゲットにするのも効果的です。
家族全員ではなく、家族のうちの1人をターゲットにする方が、リピーターを増やすのに適しているのかもしれません。

繁盛飲食店のヒット商法最前線

【経営】 初めてつくる経営理念は“最高の経営理念”でなくていい

【美容業】
前回は、経営理念があれば組織力が強まり、サービスの質が向上することをお伝えしました。

ただ、経営理念の大切さに気づいたとしても、「実際にどのようにして経営理念をつくればいいかわからない」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。

今回は、組織力を上げる経営理念のつくり方について触れていきたいと思います。
ポイントは「カタチ」ではなく、「持つ」ことです。

自身がオーナーになった理由をもう一度確かめる

ほかの企業の経営理念から自店に合いそうな言葉を拝借して、経営理念をつくろうと考える方はいませんか?

このつくり方だと、キレイな言葉が並んでいる経営理念はつくれますが、単なるキレイな言葉で終わってしまいます。

経営理念をつくる上で大切なのは、自分の納得する言葉を選ぶことです。 その言葉を探すために、まず自身を振り返ってみてください。

・なぜ美容師になったのか?
・なぜオーナーになったのか?

この問いの答えが「儲けたかったから」でも大丈夫です。
それは、家族や自分の大切な人を守りたいという気持ちの裏返しかもしれませんから。

ただし、自分の思いがほかの人に迷惑をかけていないか確認する必要があります。
家族やスタッフ、顧客はもちろん、サロンがある地域の立場になって考えてみましょう。
複数の視点を持つことで、共感を生みやすい理念が生まれます。

肩に力を入れすぎずに“まずは1つ”だけでも書いてみる

「最高の経営理念をつくろう」と意気込む方もいるかもしれませんが、いきなり完璧なものを追い求めてしまうと、多くの時間や労力がかかってしまいます。

経営理念はカタチよりも、持っていることが大切です。
一度持ってしまえば、その経営理念が自店に合っているのかを検証できますから。

まずは自身が一番思っている言葉を、経営理念として掲げてみてください。

経営理念を変えることは悪いことではありません。
サロンの規模が成長するにつれ、新たな考えが生まれてくるでしょう。
そのときは、都度、新たな経営理念を付け足す、もしくは今あるものを改善して「カタチ」を変えていけばいいのです。

最初から太い幹をつくるのではなく、年輪のように繰り返し重ねていくイメージでつくっていきましょう。

経営理念をつくることがゴールではない

経営理念をつくる際に注意しなければならないのは、「経営理念をつくる」ことがゴールではないという点です。
経営理念ができたとしても従業員の理解を得られなければ、組織力は向上しません。
従業員に経営理念が浸透するよう、コミュニケーションの図り方も考えてみてください。

となりのヘアサロン

【記事提供元】サロンオーナー 2017年9月号(理美容教育出版)

【経営】 “ジョブシェアリング”が介護業界の人材不足を打開する?

【介護業】
慢性的な人材不足に陥っている介護業界。
2016年11月に厚生労働省が発表した介護業界の有効求人倍率を見ると過去最高の3.40倍となり、全職種平均の1.31倍を大幅に上回りました。
その後も、12月は3.60倍と過去最高を更新し、2017年1月は3.50倍と高水準を維持しています。

有効求人倍率とは、「求人している会社の数」を「求職者の数」で割ったものです。

つまり、求職者1人あたりに何件の求人があるかを示す数値で、例えば30社の求人に対して10人が応募した場合は、有効求人倍率が「3」となります。

これは景気の動向を示す数値であるとも言われていますが、全職種平均に比べて2倍以上の数値となっていることは、業種間でのバランスに偏りがあり、介護業界においては1人を採用するのに3~4社で取り合うという厳しい状況に陥っていることがわかります。

介護業界が敬遠される理由として、「過酷な現場環境」「長時間労働」などの仕事の負担に対して、「低賃金」「休みが取れない」などの待遇面が追いついていないことが挙げられます。

介護の現場は、限られたスタッフで利用者のあらゆる介護サポートを行うため、仕事はハードであるにもかかわらず、国からの介護報酬には限りがあり、報酬にはつながりません。

求人募集しても必要な人数が集まらないため、仕事の負担は重なり、新人教育にも思うように時間を割くことができず、新入社員が短期間で辞めていくという悪循環に陥っていると言えます。

国も「2025年問題」を見据えて、処遇改善加算の1万円アップや外国人雇用など、さまざまな人材不足対策を講じていますが、現状ではいずれも打開策とまではいっていないようです。

そこで、最近になって注目されだしたのが“ジョブシェアリング”。
ジョブシェアリングとは、「1つの業務を複数の人で行うこと」を意味し、特定の人しか業務を行うことができない場合のリスク(病気、退職など)を低減するための取り組みです。

求人メディア運営会社の株式会社リジョブ(東京都新宿区)が専用ホームページを立ち上げ、普及を促進しています。

1人の介護スタッフが担当している複数の業務を「送迎」「入浴」「朝食介助」「昼食介助」「おやつの配膳」「レクリエーション」「清掃」などに分け、専業化します。
これにより短期間で業務をマスターすることが可能となり、介護業界未経験者や高齢者、主婦など多様な人材の確保が期待できます。

これからは、介護専門求人サイトやアルバイト専門の求人サイトとの連携も行っていくとのことで、他の業界に流れていた人材をどの程度介護業界に呼び戻せるか、そして人材不足の打開策となるか、今後の動向に注目です。

介護事業最前線

【経営】 重要性が増す歯科との地域連携

【医業】
近年の歯科医療は、国民意識の高まりと歯科技術の発達により、小児のう蝕(虫歯)の減少、高齢者の残存歯数の増加といった傾向が顕著になっており、歯を残すことに関しては良好な結果となっています。

一方、高齢化に伴い、高齢者の歯周病が増加しています。
歯周病は糖尿病との密接な関連が指摘されており、HbA1cの値を改善するために歯科との連携を加速させる必要がありそうです。

歯周病は口内の歯周病菌により歯茎に炎症が起きる病気です。
一昔前までは歯科領域にとどまっていた疾患ですが、近年、全身に及ぼす影響が指摘されているのはご承知のとおりです。

例えば、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)や骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などが多いといわれていますが、なかでも、糖尿病との密接な関連が相次いで指摘されています。

「糖尿病診療ガイドライン2016」によると、歯周病を有する患者は非歯周病者と比較して糖尿病の有病率や発症リスクが高いほか、歯周炎の重症度が高いほど血糖コントロールが困難になると報告されています。

また、糖尿病患者における歯周病のリスクも伝えられています。

2型糖尿病患者ではHbA1cが6.5%以上になると歯周炎の発症や歯槽骨吸収の進行が高まるほか、糖尿病患者における歯周病重症度は有意に高い、などです。

さらに怖いのは、重度歯周病を有する糖尿病患者は糖尿病腎症、虚血性心疾患になりやすいともいわれていることです。

内科を標榜する診療所では、糖尿病の患者さんを診療されているところも多いと思いますが、重度の歯周病を患っていた場合、糖尿病腎症の発症、ひいては末期腎不全への進行、あるいは心筋梗塞の発症に伴う死亡などのリスクが高まります。

患者さんの歯周病の状況については常にチェックしていくことが肝要です。

現在、糖尿病診療においても教育入院や栄養指導、日常診療の役割分担により適切な血糖コントールをしていこうと、連携パスを用いた病院と診療所の医療連携が全国各地で行われています。

連携パスとは、どの時期にどの医療機関がどのような治療を担当するかなどが記載された工程表ですが、最近では連携パスに歯科医による診療が組み込まれ、定期的に糖尿病患者の口腔内状況をチェックするという取り組みも行われているようです。

前述のガイドラインでは、2型糖尿病患者の歯周病を治療するとHbA1cの値が改善する可能性があるとも指摘しています。
糖尿病診療において歯科医との連携は今後必須になるといえそうです。

選ばれるクリニックへのナビゲーション

【経営】 若年者の医療費が増加している? 母親に支持される医院には“安全”が必要

【歯科医業】

少子高齢化で子どもの人口は減っていますが、0~14歳の若年者の歯科診療医療費は65歳以上の高齢者とともに増加傾向にあります。
なぜ人口が減っているのに医療費は増えているのでしょうか。

その理由のひとつとして、歯の健康が子どもの成長過程に大きく影響するといった情報が社会的に広まるに従い、子どもの歯に対する関心が母親の中で高まってきたからだといえます。

地域密着を目指す歯科医院では、子どもやその母親たちを取り込んでいくことが経営の安定化を図るうえで不可欠であり、実際、多くの歯科医院で子どもやその母親たちに支持される医院になるためのさまざまな工夫が行われています。

母親たちに支持される医院になるためには、まず子どもの受診活動に大きな影響を与える母親の心をとらえることが重要です。

例えば、ベビーカーを押しながらでも楽に移動できるようにエントランスから受付、診察室までをバリアフリーにしたり、医院の一角に幼児が遊べるキッズスペースを設けたりするなどの取り組みは広く行われつつあります。
中には、保育士の資格を持つ専門スタッフが常時子どもの相手をしてくれるところもあり、母親が治療に専念できる環境づくりに努めている医院が増えているようです。

東京・世田谷区にある歯科医院の事例を紹介します。

診察室は個室で、ユニットの隣にはベビーカーを置くスペースもあるので、母親も子どもの様子をみながら治療を受けることが可能です。また、治療中に流してくれる子ども用DVDも豊富に取り揃えています。

そして、同医院が何よりも力を入れているのは衛生管理で、治療に使う水を徹底的に除菌する水質改善のための機器や、高圧蒸気滅菌器などを導入。「子どもには安全な治療を」という母親たちの思いに応えています。

とはいえ、やはり子どもにとって歯の治療は怖いもの。
そうした恐怖心を取り除くために、治療前の子どもに治療機器や器具について説明し、実際に触らせてから治療に入るという医院も。ユニットに座ってからすぐに治療をするよりも、そのほうが安心されるのだそうです。

また、地域の子どもたちに歯科医院を理解してもらおうと、年に数回、歯科医を疑似体験してもらうといったユニークな取り組みもあります。

地域の子どもたちや母親に支持されるということは、その世帯のファミリー歯科医としてライフサイクルの一部となることを意味しています。
家族のだれかに歯科需要が発生した際に、まず選んでもらえる歯科医院になることができれば、経営上大きなメリットです。
子どもと母親を取り込んでいくための取り組みに、力を入れてみてはいかがでしょうか。

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