【経営 建設業】 手形の“支払いサイト”が短くなる!? 建設業界の新しい流れとは?

景気回復を受けて建設投資額が増える一方、将来の人手不足が懸念されている建設業界に、一石を投じる新たな流れが生まれています。

従来、手形の決済は120日以内というのが業界の慣行でしたが、大手ゼネコンを中心として期間を短くする動きが出てきているのです。

この動きが広がっていけば、下請け企業の支払いサイト(=取引代金の締め日から、取引先に代金を支払う日までの期間)が短くなり、多くの企業の資金繰りが改善するでしょう。

支払いサイト短縮の背景には、 下請法運用基準の改定がある

2016年12月、下請法(下請代金支払遅延等防止法)の運用基準が改定され、下請代金の支払手形のサイト短縮について、『繊維業90日以内、その他の業種120日以内とすることは当然として、段階的に短縮に努めることとし、将来的には60日以内とするよう努めること』と、法律で定められました。

この下請法の改定を受け、国土交通省では2017年3月に取引条件の改善を行ないました。

このため、業界団体主導で、下請けの建設会社や資材供給をする取引会社を対象に“代金の決済を早めよう”という動きが出てきているのです。

業界最大手となる大成建設は、支払い条件を見直し、支払手形などの決済期限について、2018年4月を目途に90日から60日へ短縮する予定です。

大成建設が手形の支払いサイトを早めることで、業界全体が支払い条件の緩和に動き出すと予測されています。

また、準大手ゼネコンの三井住友建設は、2018年中に支払手形の決済期間を90日から60日に短縮する検討を始めました。

なお、五洋建設では、すでに2017年の10月から協力会社からの資材購入の新規契約支払いを手形から現金に切り替えています。

周辺の業界にも下請け支援の輪が広がる

こうした支払い条件の緩和には、“下請け企業が、資金を人材確保の原資に充てられるように”という業界全体の思惑があります。

同じような取り組みは、建設業界のみならず、不動産業界にも広がっています。

狙いは建設業界と同様に、施工業者に資金繰りの余裕を持たせることで、“人材確保や品質向上に資金を充当してもらいたい”という思いが強いようです。

一昔前では、業界全体の品質向上を目指すには、競争をさせることが重要だと考えられていましたが、現在は、お互いに助け合うことが、“業界全体をよくするための最善の策”だと考えられているようです。

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